1.保全利用協定とは

沖縄県内において環境保全型自然体験活動(いわゆる「エコツアー」に該当)に係る事業者が、環境保全型自然体験活動を行う場所(エコツアーサイト・以下サイト)の適正な保全と利用を目的として、地域住民・関係者からの意見を適正に反映しつつ、事業者間で自主的に策定・締結するルールのことです。その内容が適切なものであれば、沖縄県知事がこれを適当なものとして認定することができます。
保全利用協定制度は、地域の資源の保全と利用に責任がもてる事業者の活動を支援することで、エコツーリズムの理念に沿った自然体験活動が促進されることを目的として沖縄振興特別措置法に盛り込まれた制度です。

環境保全型自然体験活動とは

野生の動植物の観察/地形・地質などの自然景観の鑑賞/シーカヤック、スキューバダイビング等による自然探訪、自然体験を通じた環境 教育、学習/地域の自然に密着した文化や暮らしの体験学習等

2.保全利用協定とエコツーリズム推進

エコツーリズムを推進するにあたり、エコツアーの対象となる地域資源(自然や文化)を保全するための配慮が不可欠であり、資源を持続的に保全・利用していくためのルールを策定し、ガイドや事業者などの関係者間でそのルールを守っていくことが重要です。
近年、自然体験型の観光プログラムが新たな産業として関心を集める反面、過剰な観光利用や自然環境保全への配慮がない観光事業者等による自然環境の荒廃が懸念されていることから、沖縄県では、地域の資源を保全・利用するためのルールである保全利用協定制度の普及に取り組んでいます。

3.保全利用協定締結のメリット

保全利用協定締結によって、協定区域におけるそれぞれの主体の方々へ下記のようなメリットが想定されます。

事業者のみなさま

「環境に配慮した事業をしていることのPRになる」
「サイトを利用する事業者同士で、話し合う機会を持てる」
「周辺の地域のみなさんに、サイトを利用していることへの理解が得られる」
「そのサイトの持続的な利用につながる」

地域住民のみなさま

「生活の周辺地域を利用する事業者に、環境に配慮するよう促すことができる」
「事業者を把握することができる」
「生活周辺地域の環境保全と持続的利用につながる」
「地域としての環境配慮の取り組みとしてPRできるとともに、住民1人1人への啓発になる」

行政のみなさま

「管轄するサイトを利用する事業者に、環境に配慮するよう促すことができる」
「サイトを利用する事業者を把握することができる」
「周辺地域住民への理解につながる」
「管轄するサイトの環境保全と持続的利用につながる」

エコツアーやダイビング事業をされているみなさま。
こんなことでお困りではないですか?
保全利用協定をつくってみましょう

保全利用協定(エコツールール)は、そのサイトの環境を大事にしながら持続的に活用する方法を、事業者同士で話し合い、地域の方々に もツアーについて理解してもらい、沖縄県に認めてもらう仕組みです。ぜひ有効に活用しましょう。

1.協定締結に向けた話し合い

同じサイトを利用している事業者が中心となって、協定区域に係る地域住民や関係者の意見も踏まえながら保全利用協定を作成していくステップです。主に以下の四つの流れで保全利用協定を作成していきます。
①事業者による話し合い ②協定区域の設定  ③地域住民・関係者からの意見聴取  ④保全利用協定の作成

2.保全利用協定の締結・申請

1.で作成した協定を事業者間で締結し、申請書類を作成し申請するステップです。
①保全利用協定の締結…事業者間で作成した協定を締結します。協定区域を使用する事業者数の過半数が締結したものが有効となります。
②保全利用協定の申請…締結した協定の申請書類を作成し、沖縄県知事(事務局)へ郵送してください。受け取った段階で申請が完了となります。

3.一般への公告・縦覧

申請された協定は公告・縦覧(2週間)が行われます。何らかの理由で保全利用協定に反対するものは、その意見を沖縄県知事(事務局)に提出することができます。提出された意見は、認定委員会での内容審査の際に認定の是非を検討する材料になります。その際に、沖縄県知事(事務局)による調査(申請者や関係者へのヒアリング等)が行われることがあります。

4.市町村への通知と意見の聴取

沖縄県知事(事務局)は申請書類を受領した旨を、協定区域を含む市町村長へ通知し、申請書類を送付します。市町村長は、保全利用協定の内容を、主に地域住民の生活との関係、土地所有者・管理者との関係、地域資源の保全の観点から確認し、その妥当性についての意見書を沖縄県知事(事務局)へ送ります。協定区域が複数の市町村にまたがる場合は、そのすべてに通知します。

5.認定委員会による内容審査

公告・縦覧による一般からの意見聴取、市町村長からの意見聴取が完了した保全利用協定は、認定委員会による内容審査が行われます(2週間以内)。

6.協定への県知事認定

認定委員会での内容審査が完了し、最終的に協定の妥当性が認められた場合、県知事の認定が与えられます。認定が与えられなかった協定については、その理由を明示したうえで申請者へ差し戻されます。県知事の認定を受けた保全利用協定について、沖縄県知事(事務局)はその旨を文書の発送をもって代表締結事業者に通知します。また、県のホームページ上で協定区域および保全利用協定、締結事業者を公表します。

7.認定後の協定区域の観察〜報告

認定後、協定締結事業者は、協定区域で保全利用協定に基づいた活動を展開します。◆協定区域の観察・記録…協定締結事業者間で協力・分担して、申請した方法によりフィールドの観察・記録を行ってください。◆観察・記録結果の報告…定期報告と必要に応じて随時報告を行って下さい。報告を受けた沖縄県知事は必要に応じて修復等の手配をします。

保全利用協定に関する詳しいお問い合わせ先

沖縄県 環境部自然保護・緑化推進課 自然保護班
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟4階(北側)
電話番号:098-866-2243
FAX番号:098-866-2240
保全利用協定の手引き

認定された保全利用協定地域の紹介

平成26〜27年度中に下記の6協定が認定されています。

仲間川地区保全利用協定(竹富町) 仲間川地区保全利用協定(竹富町) 仲間川地区保全利用協定(竹富町)
協定区域
仲間川及び周辺の森林(自然休養林(仲間川地区)と森林生態系保全地域 を含む)
活動内容
遊覧船、カヤック
認定日
県知事認定1号(平成16年6月)
※現協定認定日 平成27年1月24日
締結事業者
・株式会社東部交通
・マリンレジャー金盛
・南風見ぱぴよん
・ちゅらねしあ
・シーカヤックツアー海月(くらげ)
・西表島ツアーガイド カラカラ
締結事業者数
計6事業者
主な内容
[自然環境への配慮]
・マングローブ林保護のための遊覧船の運航速度規制
・徐行区間の設置
・ひき波の立ちにくい遊覧船の導入
・2ストロークエンジン船の使用自粛
・潮位による遊覧船の運航制限
・カヌーツアー1パーティーあたりの隻数の上限設定
・カヌー利用者数の制限
・野生生物の採集の禁止
・事業者合同によるゴミ拾い
[地域への配慮]
・イノシシ猟の期間中は仲間川沿いの山に入らない
・ガサミ漁の道具にふれないようにする
・地域住民との話し合いの場の設置を定期的に設け、フィールドの観察記録の報告と意見交換を行う
比謝川地区保全利用協定(嘉手納町) 比謝川地区保全利用協定(嘉手納町) 比謝川地区保全利用協定(嘉手納町)
協定区域
比謝川地区保全利用協定
活動内容
カヤック
認定日
県知事認定2号(平成22年3月)
※現協定認定日 平成26年10月3日
締結事業者
・有限会社キャリアサポート
・有限会社ネイチャートレール
・株式会社エムズオール
締結事業者数
計3事業者
主な内容
[自然環境への配慮]
・野生動物の採取禁止
・同時に開催できるカヤックを20隻までとする
・カヤック1パーティーを6隻まで(ガイド除く)とする
・干潟への上陸は行わず、マングローブ林への接触を避ける
・事業者主催の清掃活動を行う
・フィールドの観察記録
[地域への配慮]
・カニ漁の道具・漁船など漁具には一切触れない
・発着地点は嘉手納漁港船着場とするが、漁業関係者の作業に迷惑をかけない
・漁業組合が行うハーリーや清掃活動には積極的に参加する
伊部岳地区保全利用協定(国頭村) 伊部岳地区保全利用協定(国頭村) 伊部岳地区保全利用協定(国頭村)
協定区域
伊部岳登山道 オキナワウラジロガシルート
活動内容
トレッキング
認定日
県知事認定3号(認定日:平成26年10月31日)
締結事業者
やんばるエコツーリズム研究所
締結事業者数
計1事業者
主な内容
[自然環境への配慮]
・適正なツアー人数規模の設定(1日2回、1回6名まで(ガイドを除く))
・ペットやその他動物を持ち込まない、持ち出さない
・登山道では傷みやすい樹木の根などは踏みつけないように留意する
・事業運営にあたっては地域ルール(安田区規則等)を遵守する
・協定区域内における年2回程度のモニタリングの実施
[地域への配慮]
・事業運営にあたっては地域ルール(安田区規則等)を遵守する
・協定締結事業者は環境協力金を寄付するものとする(任意)
・写真撮影等、住民の生活環境へ配慮しプライバシーの保護に努める
波の上緑地地区保全利用協定(那覇市) 波の上緑地地区保全利用協定(那覇市) 波の上緑地地区保全利用協定(那覇市)
協定区域
波の上うみそら公園 ダイビング・シュノーケリング専用ビーチ
活動内容
ダイビング、シュノーケリング
認定日
県知事認定4号(認定日:平成26年11月13日)
締結事業者
NAHA えんがん共同企業体、他55事業者
締結事業者数
計56事業者
主な内容
[自然環境への配慮]
・海域生物の採取や餌付けは行わない
・同時利用者数の制限(原則50名)
・年2回の環境保全活動(オニヒトデ駆除、レイシガイダマシ駆除、水中ゴミ拾いなど)の実施
・サンゴを保護するための進入禁止区域(保護エリア)の設置
・協定区域内における定期的なモニタリング(原則3ヶ月に1回)の実施
[地域への配慮]
・一般公園利用者への配慮
・緑地公園の芝生へ海水がかからないように注意する
・施設内での行事には積極的に協力して運営に参加する
大浦川地区保全利用協定(名護市) 大浦川地区保全利用協定(名護市) 大浦川地区保全利用協定(名護市)
協定区域
大浦川及び周辺のマングローブ林
活動内容
カヤック
認定日
県知事認定5号(認定日:平成26年11月20日)
締結事業者
・わんさか大浦パーク
・ホールアース自然学校沖縄校 がじゅまる自然学校
・One Ocean(ワンオーシャン)
・テラワークス
・じゅごんの里
締結事業者数
計5事業者
主な内容
[自然環境への配慮]
・野生動植物の採取は行わない
・カヤックを下船する場合はマングローブ林エリアには接岸しない
・マングローブ林内(干潟)へ上陸する場合は動植物に配慮して行う
・カヤックプログラムの隻数の制限(1ガイドあたりの最大隻数は5隻までを基本(ガイドを除く)、同時開催の最大隻数40隻(ガイドを除く))
・協定区域内における定期的なモニタリング(年2回程度)の実施
・年に数回、事業者主催の清掃活動を実施する
[地域への配慮]
・集落内で迷惑駐車は行わない
・環境協力金をプログラム参加者から預かり地域に還元する
・地域行事に参加する
白保サンゴ礁地区保全利用協定(石垣市) 白保サンゴ礁地区保全利用協定(石垣市) 白保サンゴ礁地区保全利用協定(石垣市)
協定区域
西表石垣国立公園白保海域公園及びその周辺陸上部
活動内容
シュノーケリング、カヤック、干潮時の自然観察、伝統漁業体験、海岸及び集落散策
認定日
県知事認定6号(認定日:平成27年8月26日)
締結事業者
特定非営利活動法人夏花
締結事業者数
計12事業者
主な内容
[自然環境への配慮]
・フィンキックの際に誤ってサンゴを破損しないように指導する
・海ガメの産卵情報を収集し影響がある場所への自動車の乗入れの禁止
・船が4艇以上、遊泳者が50人程度の観光客が入っている場合は、別のポイントに移るなど、ポイントに観光客が集中しないようにする
・海域での赤土堆積量調査、サンゴの健康状況調査を実施
[安全管理]
・ガイドと参加者は、適正な人数比で行なうこととする。シュノーケルでは、ガイド1人につき参加者10人を目安とし、カヤックでは、ガイド 1人につき参加者4人とする。集落散策や浜歩きなどは、ガイド1人に つき参加者20人を目安とする。
[地域への配慮]
・白保の小学校、中学校の自然体験や環境学習に積極的に協力し、白保サンゴ礁とサンゴ礁文化の保全、継承を図る
・漁業操業への迷惑にならないよう、漁業に配慮した海面利用
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