名桜大学総合研究所公開講座の中のエコツーリズム関連講座

名桜大学総合研究所長・名桜大学国際学群教授 新垣裕治

名桜大学総合研究所は、平成8年4月に「国内外の言語、文化、産業、情報、自然環境及び健康等に関する理論的・実践的立場からの総合的な研究、内外の研究機関・研究者との交流、産業・行政等に携わる人々への研修などを通じて、社会の発展と人類の福祉の向上に貢献するとともに平和、自由、進歩という開学の理念を実現する」を目的として設立されました。研究所のおこなう事業として、「研究会、セミナー、シンポジウム、講演会、公開講座等の開催」があります。平成22年度は、公開講座で28件、シンポジウムで14件の実績があり、これらの中でエコツーリズム関連すると思われるシンポジウムや講演会等について紹介したいと思います。

■資源に関する講座

関連する講座として、①「ヤンバルクイナ保護の現場視察」 ②「山原の碑文4 探訪名護市羽地・屋我地の碑文をめぐる」 ③「渡名喜島の地形・地質とジオツアーの可能性」 ④「山原の碑文5 探訪 名護市羽地・屋我地の碑文をめぐる」 ⑤「琉球玩具への招待(7)創作凧「琉球絵凧」を作る」 ⑥「琉球玩具への招待(8)「風弾:シャクシメー」を作る」 ⑦「島じまのジオツアー:本部半島の石灰岩とカルスト」の7講座を開催しました。

①は平成21年度に続き2回目の開催で、ヤンバルクイナの保護の為の施設(マングース侵入防止柵、ヤンバルクイナ・シェルター、クイナ・フェンス等)をバスツアーで見学して巡る講座。 ②と④は、山原にある歌碑を巡り、地域の歴史と文化への理解を深める野外での講座。 ⑤と⑥は、凧作りを通し沖縄固有の歴史・文化や自然(素材)への理解、特に遊びの文化への理解を深めることができる講座。 ③と⑦のジオツアーとは、主に地形や地質等の自然資源を対象として行われるツーリズムで、エコツーリズムと共通する部分が多く、ニューツーリズムに包含されるものであり、平成22年度にはじめて開催された講座 という内容のものでした。

マングース北上防止柵の説明
マングース北上防止柵事業広報広場2009/6/6
(国道331号線沿い、大宜味村)

■安全対策に関する講座

関連する講座として、①「救急法救急員養成講習会(赤十字救急法救急員養成講習会)」 ②「ハブ(蛇)対策講座」 ③「野外活動指導におけるリスクマネージメント」 ④「ガイドライン2010:新しくなって簡単!!やってみよう心肺蘇生(CPR)+AED」の4講座を開催しました。①は日本赤十字沖縄県支部の協力を得て、名桜大学で開催しているもので、13回目(13年目)を迎えました。手当ての基本、心肺蘇生法、AEDの使い方、止血(包帯法)、骨折の固定等、救急法基礎から全体的に詳しく学習できる4日間の講習会となっており、試験(実技と筆記)の成績の良い受講者には「赤十字救急法救急員」の認定証が交付されます。一方、④は、専ら心肺蘇生法とAEDに徹した3時間の講習会です。②は、香村昴男先生(ハブ対策コンサルタント)を講師として招き12回目(12年目)を迎えた講座です。先生の、ハブも含め蛇類に関する見識は特筆すべきものがあり、また軽妙な語り口が好評で、毎年100人程の参加者を集める大変人気の高い講座となっています。③は平成22年度にはじめた講座で、野外活動におけるリスクマネージメントをテーマとしたものです。浅子智昭氏(「がじゅまる自然学校」代表、当時)に講師を引き受けていただきました。開催目的は、本学の野外講座担当者の為のリスクマネージメント講座でしたが、エコツーリズム等の野外活動を生業とする方々等の学外からの参加者が予想以上に多いものとなりました。

■環境教育に関する講座

環境教育を意識した講座として、「やんばるの自然と環境教育を通した学び」があります。この講座は平成22年度については、天候不良等で開催できませんでした。しかし、上記の幾つかの講座同様、毎年継続的に開催されてきている講座であり、国頭村の「やんばる学びの森」を主なフィールドとして、自然環境の持続可能性に関す講義やソーラークッキングやカヌー体験、インタープリテーション等の様々な項目が含まれる総合的な講座となっています。

■シンポジウム等

平成22年度のシンポジウムでエコツーリズムに関連するものとして、①「マングース移入100年目に移入種について考える」②「沖縄と台湾のエコツーリズム振興とエコツーリズムにおける相互交流の可能性について」 ③「観光と地域資源―沖縄観光の今後の方向性、観光形態の多様化と地域資源の保全と活用―」を開催しました。①のシンポジウムは、沖縄にマングースが移入されて平成22年(2010年)で100年の節目の年になることから、沖縄の自然環境問題をマングースに注目して、移入種の観点から議論をしたものです。②は台湾においてもエコツーリズムは新たな観光として政府を上げて推進されていることに鑑み、地理的に近接する沖縄県と交流があってもいいのではとの発想で企画しました。台湾から2人の研究者を招聘し、国際シンポジウムの位置づけでおこないました。③は吉田春生先生(鹿児島国際大学教授)を招聘し、観光資源をテーマとして講演をして頂きました。講演では、エコツーリズムだけでなく、観光全体の傾向、旅行形態と観光形態、観光の規模等の観点から分析的に捉えることを学びました。

■平成23年度へ向けて

平成23年度は31講座の開催を予定しており、上記の資源、安全対策、環境教育に関する講座の全てを開催する計画となっています。エコツーリズムは観光のトレンドとして今後更に盛んになると予想します。また、エコツーリズムを振興することは、観光の質を上げ、地位の自然環境や伝統文化の保護に有効であるとも考えます。名桜大学は平成22年から公立大学として再出発し、地域貢献はこれまで以上に期待されるところであり、今後も公開講座を通して、地域にとって取り組む価値を持つエコツーリズムの推進を図っていきたいと思います。

名桜大学総合研究所

ページトップへ
ページバックする
うるまの窓UrumaDo!
ECO-Okinawa募金
地域活動事例
NPO法人沖縄エコツーリズム推進協議会
〒902-0072
沖縄県那覇市真地329-1
ウェル・カルチャースクール内
TEL 080-2727-1386
FAX 098-955-7062
info@ecotourism-okinawa.jp

※事務所に常駐していませんので、電話連絡をいただきましても留守番電話対応となる場合が多くなります。ご連絡はメールにてお願いします。