慶良間地域の自然との共生

あか・げるまダイビング協会

慶良間地域にはダイビング協会が3団体ありますが、今回は、阿嘉、慶留間両島のダイビング事業者で構成する、あか・げるまダイビング協会が島と海と如何に向き合って共生してきたのかを報告したいと思います。 慶良間地域において今やエコツーリズムを語らない観光事業者は皆無に近いですが、その取り組みの本質までしっかりと理解されているかどうかは、事業者によって温度差があります。沖縄県では2002~04年度に「沖縄県エコツーリズム推進事業」を実施して、西表島地域、やんばる地域、慶良間地域をモデル地域として沖縄におけるエコツーリズム推進の軌道を固めました。そして、2007年に「ECOな島をめざして」のパンフレットにて、沖縄県におけるエコツーリズムの定義や推進の方向性を示しています。このパンフレットの表紙の一行に「エコツーリズムからの取り組み・地域の環境は地域で守る!」とあります。慶良間地域のダイビング協会設立の目的は、この一行に集約されていると言えます。

さて、あか・げるまダイビング協会は2001年に設立され、その会員の約8割が本土からの移住者です。彼ら移住者は、いまや島に欠かせない存在になっています。しかし設立当初には、移住者に対する不信感や不安などで評価されない事が多々ありました。丁度この頃、海の保全活動の中心的な役割を担っていた漁業者の高齢化や、若者たちが島から出ていってしまうことでの減少などで、保全活動を継続できるのだろうかという危機感が島に漂っていました。そんな中で、ダイビング協会の目的である「島の海は島人で守る」を合い言葉に、主体的に、淡々と保全活動を実践する移住者たちの姿がありました。この姿は、島人からの信頼を得ることに繋がりました。また移住者たちは、島の行事に積極的に参加し、最近は行事の担い役にもなってきました。こういった島人に溶け込む努力は、その積み重ねによって島から評価されるまでになりました。

サンゴ礁保全の取り組み

オニヒトデの大量発生が慶良間海域で起きたことは、地元漁師のみならず、マリンレジャー事業者にも脅威を与えました。特に2001年に座間味海域で大量発生が確認された時は、非常事態と言えるものでした。これまでもオニヒトデ駆除は継続的に漁協に協力しながらおこなってきましたが、さらなる駆除活動が必要になりました。このタイミングで協会が立ち上がりましたが、これは地元ダイビング事業者のサンゴ礁保全のビジョンを明確にすることにつながりました。つまり継続的に保全活動をおこなって、観光資源として活用しているサンゴ礁を持続可能なものとするということです。このために、科学的知識や国、県の制度を組み入れ、自主ルールの設定や啓発活動等をおこなうこととしました。

ダイビング事業者としておよび島の住民として、ボランティアではなくプロとして、自分達がビジネスをするフィールドを保全する活動に取り組むことにしたのです。 設立当時からダイビング事業の合間に、週当番制による保全活動、阿嘉島臨海研究所との連携による科学的知識の習得、リーフチェック等でのデータ作成などの作業をおこなっています。負担感がありますが、この活動に支えられてのビジネスなのだと強く意識するところです。

ラムサール条約には2005年登録されました。この条約の理念は「保全と賢明な利用」です。環境省と、海の保全につながる指針がほしい地元側の考えが一致した結果、登録できたと考えます。一方で2001年12月に、1998年から閉鎖されていたニシハマを開放するにあたって、係留ブイの設置や利用船数制限をかけて、過剰利用を防ぐための自主ルールを設定しました。ラムサール条約の理念であるワイズユースを早くから実践してきました。

ダイビング協会では、啓発活動の一環として、地元の子どもたちとのナイトスノーケリングでのサンゴの産卵観察、体験ダイビング、サンゴの植え付け等をおこなっています。この子どもたちが将来、親と同様の日常的な保全活動を続けていけるような環境づくりをしてきて8年以上になります。

島の住民としての役割

あらためて移住者の話になりますが、彼らが島に移り住み事業を立ち上げ、生活するのは大変な苦労があったはずです。仕事や保全活動をしながら島の行事にも取り組む事ができたのは、彼らが島の住民としての自覚があったからでしょう。過疎化は島も例外ではなく、移住者なしには島の伝統的な文化も継承することが難しくなるところでした。最近では島出身の若者も島に戻りつつありますが、面白いことに、彼らに島の文化を指導している移住者も見られるようになっています。最近では、島人の間では移住者として見ることがなくなってきたように思われます。海の保全は陸域や山域の保全なくしてはできません。島が好きで、慶良間の海が好きで移り住んできた彼らは、地域の自然環境保全には欠かせないメンバーになっているのです。

2006年に商工会の事業で、渡嘉敷村の賛同を得て、慶良間ブランド「慶良間の世界」を発表しました。これは島の特産品作りをはじめとし、資源利用(サンゴ礁も含む)において環境に配慮することを義務づけ、この取り組みそのものをブランド化していこうというものです。取り組みを示すロゴデザインは、事業種別に色分けされています。各ダイビング協会は、このブランドロゴを船に掲げなければいけないことになっています。自分たちが、自信を持って掲げられるようになるためには何をする必要があるのか、そんな意識を持つ取り組みに昇華されています。 この年、併せて慶良間海域保全会議(翌年、慶良間自然環境保全会議に名称変更)が結成されます。陸域、山域の保全にもさらなる力を入れることが目的での組織化です。

最後に

あか・げるまダイビング協会は、協会設立以来、自然環境保護に向き合ってきました。村行政をはじめ県の事業参加、国の制度活用とあらゆる可能性を否定することなく保全活動を続けています。本年度には慶良間地域エコツーリズム推進全体構想が認定される予定ですが、いずれにしても協会のメンバーは今まで通り保全活動と今以上の島の活性化に取り組み、より良いエコツーリズムを目指すことになります。

http://www.kawamichi.jp/aka/

ページトップへ
ページバックする
うるまの窓UrumaDo!
ECO-Okinawa募金
地域活動事例
NPO法人沖縄エコツーリズム推進協議会
〒902-0072
沖縄県那覇市真地329-1
ウェル・カルチャースクール内
TEL 080-2727-1386
FAX 098-955-7062
info@ecotourism-okinawa.jp

※事務所に常駐していませんので、電話連絡をいただきましても留守番電話対応となる場合が多くなります。ご連絡はメールにてお願いします。